Semilla's Project(日本語翻訳版)
GUATEMALA
【Cafe Colis Resistencia】
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Mataquescuintla周辺の生産者グループ(現地では“Cafe Colis Resistencia”として知られている)は、おそらくSemillaが協力している4つのグループの中で最も逆境に直面している。
カナダ/ビクトリア島にあるBows Coffee Roastersの代表ドリュー・ジョンソン氏が、このグループのリーダーの一人であるアレックス・レイノソが直面している試練について知った後、彼らと連絡を取り、支援を提供するためにあらゆるチャンネルを駆使した。
“Quietly Built, Loudly Opposed” ー 静かに建設され、声高に反対される
Mataquescuintlaの先住民族Xinca(シンカ)。
彼らの背景には、エスコバル銀山が比喩的にも文字通りの意味でもそびえ立っている。
カナダに本社を置くパン・アメリカン・シルバー社が所有・運営しているエスコバル鉱山は、世界で2番目に大きな銀鉱山と推定され、先住民の権利に関する国連宣言(UNDRIP)に真っ向から反しながら地元住民の協議も同意もなく無断で建設された。
しかし今この瞬間、植民地化と領土侵害に対する抵抗の長い歴史(ラテンアメリカ征服にまでさかのぼる)を持つシンカ族の組織的な行動のおかげで、この鉱山は操業停止となり、グアテマラでの事業運営のライセンスは一時的に停止されている。
カナダ政府がこの地域で採掘事業に関与したことはよく知られており、その事実は少なくとも20年前にまで遡る。
特にエスコバルでの採掘プロジェクトは2000年代後半に構想され、2011年から2012年にかけて何度も行われた一連の国民投票によって、その可能性が示された。
その規模の大きさゆえに、企業がこのプロジェクトを通じて得る利益は莫大なものだが、そのリスクはすべて地元の人々に残されたままであり、彼らは家族の健康や、彼らを支える自然環境への悪影響に(保証されているとはいえ)脅かされながら生きていかなければならない。
これは何度も行われた住民投票において、毎回最低でも約93%の地元住民がプロジェクト反対の結果を示していることから明らかとなっている。
しかし最終的に、鉱山が建設されたサン・ラファエル・ラス・フローレス自治体の住民投票は、突如当局によって阻止されてしまった。
実はその自治体は現在、エスコバルの現地法人ミネラ・サン・ラファエル社から利益を受け取っていることが明らかになっている。
また、この間に環境影響テストが不十分であったとして、グアテマラのエネルギー・鉱業省に申し立てられた苦情は合計280件に上った。
たとえば、一般的な採掘許可案件では、有害な化学物質が土壌に溶けだしていないことを確認するために5000の土壌サンプルを採取することになっている。エスコバルのケースで採取・分析された土壌サンプルは、多くてもたった14種類だった。
それ以来、複数の検査で鉱山周辺の水道水中のヒ素濃度が上昇していることが示されている。
2013年12月、グアテマラ憲法裁判所は、先住民の権利に関する国連宣言に沿って、当時の所有者であったカナダの銀発掘企業タホ・リソーシズ社が同様の協議を完了し、「プロジェクトのコミュニティ承認を受けることが必須である」と宣言した。
このような明白かつ文書化された反対にもかかわらず、また国連条約を完全に無視する形で、エスコバル鉱山は2013年に発掘事業の認可が行われ、2014年に操業を開始されたのである。
“Gaining Traction, Maintaining Momentum”ー 牽引力を得て、勢いを保ちつづける
彼らの闘いは決して孤独ではない。
2017年6月、グアテマラ憲法裁判所はXinca族抗議グループの味方をし、地元住民との適切な協議が行われるまでエスコバルのライセンスを停止した。
2018年、これは同国の最高裁判所によって支持された。ライセンスの停止により、タホ・リソーシズ社の株価は急落し、同社はパン・アメリカン・シルバーに権利を売却せざるを得なくなった。
しかし、 世界最大級の銀採掘企業パン・アメリカン社は、その権力によっていかなる反対も押し切ることができ、“短期的な損失は、鉱山のもつ価値で得られる巨額の利益によって相殺できる”、という明確な信念を持っている。
彼らはすでに違法かつ虚偽の協議を開始し、Xinca族の抗議グループの関与なしに裁判所に提出する鉱山への支持を集めようとしている。
コーヒー生産者であり、弁護士でもあるケルビン・ヒメネスは、この件の闘争においてXinca族抗議グループを率いている。
ひとつには、エスコバル鉱山事業に対する彼らの抵抗によって、グアテマラ政府はそれまで存在しないと主張していたにもかかわらず、Xinca民族の存在を認めざるを得なくなったことである。この鉱山事業に対する抵抗は、彼らが1996年以来闘い続けてきたグアテマラ憲法による初の公式承認につながった。
鉱山に対する抗議の初期に、政府はXinca族抗議グループの代表の逮捕を求める情報を報道機関に公開した。このように彼らの存在を公に認めたことで、国勢調査から除外することができなくなり、それ以来、記録されているXincaの数は16,000人から2018年には240,000人に増加したのである。
また、憲法裁判所と最高裁判所が彼らの賛成票を投じたことで、Xinca族の抵抗は全国的な法的先例となり、『“いかなる採掘プロジェクトも協議プロセスを経る必要がある”という憲法のひとつの基準を設定した先住民グループ』という栄誉を得た。
グアテマラの全人口の50%以上を占めるマヤ族でさえ、過去にはこれを達成することができなかったのだ。
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Cafe Colis Resistensiaの活動、そして土地侵略をめぐる事件の詳細は
noteにて随時更新しております。
下記リンクからご覧ください。
『グアテマラ/マタケスクイントラの事件の詳細、その背景について①』
Credit : Semilla Coffee/Projects【Cafe Colis Resistencia】
Translated : Keisuke Matsumura
*This article is reprinted with permission of Semilla.